ワールド会館
中野ブロードウェイ裏にある「ワールド会館」の取り壊しが、いよいよ始まったようなのでレポります。撮影をしたのは2022年10月。そろそろ解体されそうな気がしたので、近くを通りがかった際に写真に収めることにしました。じつのところ、このワールド会館に入っているお店を実際に利用したことは一度もないのですが、外観のディテールだけでもブログに刻んでおきたいと思います。
このビルは「中野新仲見世商店街」という入り組んだ飲食街に立地しているため、目の前まで来ないと全景が見えません。竣工は1971年らしいですが、大きな改修工事は一度もされなかったようで、ほぼ竣工時の状態を保っています。しかしながら、ビルの入り口部分は封鎖され、現役ではなくなっていました。
このビルの一番の特徴ともいえる、ファサードに並んだ六角形。これはデザイン的な遊びでもありますが、内側には六角形の傾斜に沿って階段があるため、実用を兼ねたデザインになっています。格子の中央には住所が記された電飾がありますが、ちょうど5ゾロで覚えやすいですね。
大小のタイル、丸模様の白い柵、その奥には比較的珍しい長方形のガラスブロック。当時らしさが凝縮されています。
外観の中でも特に目を引くのが、てっぺんの部分。ここだけは60年代の雰囲気です。白く縁取られた正方形の窓や右半分が金属の格子になっている辺りに、モダニズム建築の名残を感じます。
案内看板を見ると、昭和時代から変わっていないと思われるのは「スナック 夢」くらいですかね? 空白も多いです。
中央の「ワールド」の下の矢印の「お入口」が目を引きます。右下の「スナック 舞」も、けっこう古そう。
その「ワールド」はホテルだったようです。看板の点滅球からして、ラブホテルですかね? いずれにしても、雑居ビルにホテルが入っているのは珍しいです。
その裏側には「和風スナック 女女」など、古そうな看板が複数残っています。
この部分は管理室か何かでしょうか。円形にくり抜かれた壁が70年代しています。
「代々木会館」や「中銀カプセルタワー」も解体されちゃったし、都内のイイビルがどんどんなくなっちゃいますね。
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